まさか自分がフランスに住むとは・・・。
アジアが大好きな私はヨーロッパにはあまり興味がなく、旅行にも来たことがなかった。ほんと、一度も。フランスに対しても、申し訳ないけどワインとチーズ以外関心はなく、知識もゼロだった。
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事の発端はあの日あの人に会ってから。
駐在先のあるアジアの国で、同じく駐在中だった彼に出会った。
馬が合い、一緒に住み始め、将来を一緒に考えるように。
そしてこの夏、コロナを乗り越えて、結婚。
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どこか好きなアジアの国に住むのもいいけれど、
結婚するんだし、相手の国、文化や言葉を知らないと、と思った。
将来子どもを授かったとき、父親の国のことを知らないのもなんだなぁ、と。もちろん、同じ理由で彼と日本にも住みたい。
けれど、お互いの母国語をまったく知らない私たち。あいにく日本もフランスも英語ができるだけじゃ生活や就職はキツイ。それなら私がフランスに行く方がまだ簡単なんじゃないかというわけで、フランスに住んでみることに決めた。
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まさか自分がフランスに住むとは。独身をずっとやってきて、行きたいところ、住みたいところはいつも自分ひとりで決めてきた。パートナーができて、そうではない体験をするのに、なんていうか、小さな驚きを感じる。誰かと一緒に生きるってこういうことなのか。新鮮だけど葛藤。
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極道の妻たちの映画の名セリフに、惚れた男が極道だっただけや!というのがあったけど、まさにそれ。惚れた男がフランス人やって、えらいとこに来てしまった。